「シュガーフリーが勝間和代さんを若返らせた」というのは、本当か?

 

 

 

最初に断っておきますが、勝間さんを悪く言うつもりは、毛頭ありません。本気で。
基本的に、みんなに優しくして、誰とでも仲良くするのが、私のポリシーです。
もちろん、勝間さんとも、はあちゅうさんとも、イケハヤさんとも、金正恩さんとも、本気で仲良くするつもりですし、できるかぎり、悪いところには目をつむり、いいところを丁寧に拾って褒め称えるようにするつもりです。

ただし、
「これは書いておかないとまずいな」という点についてだけは、書きます。

書かないとまずいことを書かないと、みんなを不幸にすることになるからです。

もちろん、極力、相手の顔を立てるように、誰も傷つけないように注意しながら、書きます。

 

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最近、勝間和代さんは、
「なぜ、若返えったのか!!」
と、何十回も聞かれたそうです。

勝間和代さんの記事によれば、その秘訣は、
「シュガーフリー」
にあるようです。

シュガーフリーとは、ざっくり言うと、遊離糖(砂糖、ブドウ糖、果糖)の摂取を、極力減らすこと。

そのエビデンスとして、勝間さんが提示しているのが、WHOの遊離糖摂取ガイドラインです。

このガイドラインによれば、遊離糖の摂取量を、一日に摂取するエネルギーの10%未満にすることが、推奨されています。
また、5%未満にすると、さらに健康によい、とされています。
現在、5%未満を推奨値にすることも、検討されています。

それでは、具体的に、どのような健康効果がある、とWHOは言っているのか?
それは、「肥満」「虫歯」の減少です。

WHOのドキュメントには、若返り効果があるとは、書かれていません

となると、WHOのガイドラインって、
シュガーフリーに若返り効果があることの論拠にはなってないのでは。。?


そこで「sugar free anti-aging evidence」とかで、いろいろ検索してみました。
でも、やっぱり、若返り効果があることの、信頼できそうなエビデンスは見つからないんですね。


勝間さんによると、日本人は、平均1日69gの砂糖をとるそうです。

1日の摂取カロリーが2000キロカロリーの人の場合、
1日の遊離糖摂取量は50g未満にするのがWHOの推奨値なので、
これが本当だとしたら、大変まずい状況ですよね。

そこで69gというのがどこから来た数値なのか、調べてみました。
すると、国立健康・栄養研究所の笠岡(坪山)宜代・食事摂取基準研究室長によれば
日本人がどれくらいの遊離糖を摂取しているのか、統計データがないとのことです。

笠岡さんが、食料需給表からざっくり推計したところ、
砂糖の摂取は48.4グラム。
砂糖以外の遊離糖も計算にいれると、ちょいオーバーくらいでしょうか。

ただし、多くの日本人は、遊離糖の摂取量を減らすと、
実際に若返るのではないかと思います。

その最大の理由は、遊離糖の摂取量は、個人差が大きいことです。

もともと遊離糖の摂取量がさして多くない人は、それ以上に摂取量を減らしても、
たいした効果は期待できないかもしれません。

一方で、明らかに、健康を害するほど遊離糖を摂取している日本人は、
うじゃうじゃいます。

そういう人たちは、
まさにWHOが指摘する通り、肥満になっていると思います。

多くの人は、肥満を解消すれば、若返ります。
なぜかというと、肥満を解消する過程で、内臓、内分泌系、循環器系の機能が改善することが多いからです。
それって、外側から見ると、「若返っている」ように見えると思います。

なので、「遊離糖の摂取量を減らすと、若返る人」は非常にたくさんいると思います。

しかし、勝間和代さんの体重は、ここ数年、変わっていないそうです。
なので、勝間和代さんが若返ったのが、シュガーフリーのおかげなのかどうかは、よくわからないのです。


遊離糖の摂取量を減らすことの健康効果は、遺伝子にもかなり影響されると思います。
遊離糖の過剰摂取がどれだけ身体にダメージをもたらすかは、内分泌系の性能に依存ずる部分が大きく、
内分泌系の性能は、遺伝子によって決まってくる部分が大きいからです。

生まれつき糖代謝能の低い人は、好きなだけチーズケーキ、シュークリーム、チョコパフェを食べてると、
年を取るにつれ、内分泌系も循環器系も骨も脳機能も劣化しまくって、
見た目も汚く老化して、まあ、ひどいことになったりします。

一方で、生まれつき糖代謝能が強靭な人は、
チョコレートやあんみつやお饅頭を普通に食べてても、
そんなに健康へのダメージはなかったりしますので、
無理にそれらの摂取を控えるのは、
人生の大損失だったりします。
チョコレートのない人生なんて!!!


代謝能が低い人の場合、
砂糖やブドウ糖の過剰摂取は、血糖値の不安定化をもたらすことが大問題です。
そして、これは、遊離糖に限らず、糖質全体の問題だったりします。

同じ「遊離糖」でも、ブドウ糖と果糖では、代謝経路が異なり、血糖値に与える影響も異なります。
「遊離糖」というカテゴライズで考えるより、「糖質」というカテゴライズで考えて、
「糖質を減らす」という方向でマネージメントする方が適切な方も多いのではないでしょうか。

もちろん、糖質の中でも、砂糖とグルコースは、血糖値スパイクを引き起こしやすいので、
特に注意が必要、という点では、そのとおりかと思います。


あと、遊離糖の摂取を控えることで、大きいインパクトがあるのは、むしろ、味覚なんじゃないかと思います。
お惣菜でも、お菓子でも、お店で売られてるものって、うんざりするほど甘くていやになったりしませんか?
レシピも酷いですよね。レシピどおりに作ると、甘すぎてとても食えないものができあがることがよくある。
あれって、遊離糖中毒患者の味覚に合わせてあるからなんじゃないですかね。
あまりにも甘いものばかり食べすぎたせいで、甘みの感受性が下がっており、アホみたいに甘くしないと、味が足りないと感じるようになっちゃった人たちがたくさんいる。
しかし、食材の味がよくわからなくなるほど砂糖をぶちこむのがデフォルトで売られてるって、ちょっと狂ってませんかね。それって、健康云々の問題というより、食文化がぶっ壊れてる。

正常な味覚を取り戻す手段として、遊離糖の削減は、大いにやった方がいいんじゃないかと思います。


なので、結論をまとめると、こんな感じになりますかね。

・勝間さんが若返ったのが、シュガーフリーのためかどうかは、はっきりしない。
・遊離糖の摂取量を減らすことで若返る人はたくさんいそう。
・遊離糖の摂取量を減らすことで若返るかどうかは、個人差が大きそう。
・遊離糖の摂取量をあまり減らさなくても健康を保てるタイプの人は、無理に遊離糖の摂取量を減らすのは、人生のクオリティを大きく下げることになってしまうリスクがある。
・遊離糖の摂取量を減らすのは、正常な味覚の回復のために、大きな意味があるのではないか。


というわけですが、

「いい加減な情報を垂れ流すな!」などと非難するつもりは、毛頭ありません。情報の検証は、それが好きな人がやればいいのです。
むしろ、勝間さんのお陰で、日本人の遊離糖摂りすぎ問題がクローズアップされ、
多くの人が遊離糖の削減を意識するようになるのは、世の中にとって、大変有益なことです。
勝間さん、素晴らしい情報、どうもありがとうございました!

今後も、どんどん、素敵な情報を発信していただけると、嬉しいです。

1ファンとして、心から、応援しております!